トークカフェVol.7「宇野俊輔さん」

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2月26日は「ヒナタヤトークカフェVol.7」ゲストは宇野俊輔さん(農業生産法人かぎろひや代表)でした。自称「宇野さんファンクラブ会長」の参加含む10名の方にご参加いただきました。宇野さんとの出会いは、そのころ私の友人が主宰していた「土のきほん」に次女をおんぶして参加していたので10数年前になります。土づくりから野菜作り、収穫した小麦などを使ってダッチオーブンでパンを焼く、土をこねて種まきの器を作る、森に入って蔓や木の実を取って・・、などなど月一回の集まりは子どもたちとのかけがえのない体験の場でした。懐かしいです。その講師陣の中に宇野さんはいらっしゃいました。以来、大変お世話になっています。

宇野さん

宇野さんの経歴。1955年生まれ。ОDA(政府開発援助)などの建設コンサルタントとして津波対策をしていた。名目は、フィリピン発展のための「近代漁港」だったが漁民と会うことはなく政府高官・市長・市議との仕事だった。日比友好漁業条約は、日本の船のためのもので,海岸を埋め立てることはマイナスのベネフィットであり、法律ができたことによって(不法占拠者になってしまうため)もともと住んでいたミンダナオ島の人々(イスラムの人々)が移転しなければならなくなった。「それはおかしいのではないか」と異議申し立てても「内政干渉になるので」という理由で取り合ってもらえなかった。その絶対的不平等に気持ちがつらかった。オフィスの机の前で一人デモをしたそうです。その後会社を辞め、月9万円の収入で暮らしていたのが35歳の時。生協とNGОが作った会社があると聞き、「これで仕事が成り立つんだ!」と思ったそう。35歳で当時の給料が25万円。それがATJ(オルタートレードジャパン)との出会いです。パートナーの純子さんに相談したら「もう俊輔さんの中では決まってるんでしょ」と言われたそうです。

そしてネグロス島へ。砂糖きびの暴落は人災による飢餓。耕地面積約9割を地主が所有していたが先進国のダイエットブームあり砂糖の消費が落ち、人工甘味料が登場。地主は砂糖を作らなくなった。もともと労働者は低賃金で働くしかすべがなく、焼き畑にして苗を植えて刈り取る。どちらの仕事もない時は何もできない。山の集落に入り聞き取りをした。(現在は「民衆交易」として、マスコバド糖及びバランゴンバナナは、日本の消費者と「顔の見える関係」で結ばれている。)

その時に農民に言われた言葉「農業はマシンガンでバナナは玉」

「ゲリラが来ても隠れる必要が無い」「農業の話をしていれば向こうは手出しできない」マシンガンもバナナも同じ自分たちや子どもたちの暮らしを守るものなのに。

さとうきびの真ん中に豆を植えていた。でも本当はそんな勝手なことは許されない。地主は「そんな勝手なことをしたら給料を払わないよ」と言ってきた。でも現地の人々は、後の人たちのために「豆を植える事」を選択した。

その中で、自分にとっての自立とは何?「自立支援」と言っている自分はどうか。=自分で百姓をするべきだ、と思った。伊那市高遠に移り、農業法人かぎろひ屋を設立。

宇野さんが取り組む新しい農業形態(CSA)とは。「コミュニティ サポート アグリカルチャー」の略。地域支援型農業、または地域のコミュニティに支持された農業の事。

とは何か。

「安全で安くて美味しい作物を商品として購入する方法」ではない取り組み。畑・田んぼを通して、周りの自然環境・動物のことにイメージを膨らませ農業や作り手を支える。作り手は、食べる人の生活を命を支えるという仕組み。「その商品がいくらです」と価格がつかないやりかた。その仕組みを成り立たせるためには・・・。新しい産直システム。もうそれは「LURAの会」として始まっています。

数字としてもかなり具体的に出ました。数字は私苦手なので大きく端折りますが、一人の農家が100人の食べ手を支えられる。伊那市の人口を支えるとしたら100人の農家が必要。大規模機械化農業だと、大きくないと農業は回らなくなり、何のために農と関わろうとしたら分からなくなる、と。

宇野さんが取り組むこと一つ一つが、ネグロス島の人々とのやり取りで作りあげてきたものに底で通じているように思う。それはぶれない。「国の自給率はどうでもいい」農家は、自分のところで作る作物を食べてくれる人たちの食糧をどう確保するか、それだけ。そう思ってくれる人があちこちにできるといい。農家同士も競争相手ではなく、情報共有し合う仕組みを作れないか。

お金は必要だけれど、生きているお金を使う方法、そういう経済の回し方、お金が生きるよう、そういう関係を作っていく。

金融は信用の仕事だった。でも今は不安をあおっている。フィリピンでの暮らしは金融なんて考える必要はなかった。

自分がやっているのはおコメや大豆。だけど違う繋がりができるのが良い。子ども連れでも参加してもらえるのが良い。

「違う意見の人と話していくことに恐れが無いように思いますが」という私の質問に対して、

(共産主義とか資本主義とかあるけれど)「自分は協議主義だ」と。個としてのその人であり。宇野さんにとって対人は恐れるものではないようだ。これも、限界を見てきたこと経験してきたこと、立場の違う人々と対話をして協議のうえで決める、というATJでの仕事の有り方がそのまま普段のことになっているのか。

ヒナタヤトークカフェの前に宇野さんからお聞きしたことがある。宇野さんのフェアで自由で柔らかい、思考になるにはどんな出会いがあったのかと。宇野さんは、本を沢山読んだそうです。本にたくさんの事を教わった、と。体験すること、心を震わすことだとも仰っていました。(今でもよく泣いちゃうそうです~)

「貯蓄」は「家畜」からくる言葉。豚を飼うことと暮らしが成り立つこと。それは日本で生きていたら想像できない強烈な、生きることそのもの。

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ヒナタヤトークカフェはゲストと気軽にお茶するつもりで参加していただけたらと思います。この日のおやつは、LURAの会の「古代米のおはぎ」でした。宇野さんが一つ召し上がっていないので「お口に合わなかったですか?」とお聞きしたら「(奥様)にお土産にしようと思って」と仰いました。またまた女性陣からの株が上がったダンディ宇野さんでした。

※ヒナタヤのATJ(オルタートレードジャパン)商品は、「マスコバド糖」「パプアチョコレート」「ティモールコーヒー」取り扱い中です。

※LURAの会、入会などお問い合わせはかぎろひ屋さんまで。

P1010501トークカフェおはぎおやつは、LURAの会で作った「古代米」を使ったおはぎ。中身はかぼちゃとフルーツあんこ。

 

 

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